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フランスは強かった

ドイツW杯準決勝第二試合のフランス対ポルトガル。僕はデコ選手が大好きなのでもちろんポルトガルを応援。ジダンには、残念だがここで優勝戦線から脱落してもらおう、とTV画面越しに負のオーラを送り続けていたw



両チームの戦い方の印象は、なんだか似ているようで似てないものだった。両チームともしっかりとした守備をベースにしながらも、攻撃に関しては、ポルトガルは自らが試合の主導権を握りたいと考えていたのに対し、フランスは臨機応変に戦っているように見えた。両者五分のまま迎えた前半33分、アンリがもらったPKをジダンが決めてフランス先制。フランスは、先制したら堅い。

ポルトガルは両サイドを起点に、デコが巧くサポートしながら攻撃の形を作るのがお得意のパターンだ。しかしフランスはデコに対して、マケレレをマンマーク気味につかせ、中盤の高い位置でデコが攻撃の起点になることを未然に防ごうとしていた。デコがマケレレを嫌い、次第にハーフウェイラインまで下がってプレーするようになると、フィーゴやC・ロナウドはサイドで孤立する場面が多くなり、単調なクロスかまたは強引なドリブル突破に頼るしか攻撃の術がなくなってしまった。

デコは中盤の底に下がってゲームメイクするだけでなく、フランスの守備陣を少しでもかく乱させようと、ボールを外に預けて自らが積極的に前線へと上がっていった。しかしマケレレはデコを深追いすることはせず、デコのマークを最終ラインに受け渡した後は、相棒のヴィエラと共に中盤の守備に専念した。スペースを攻略できずもがき苦しむポルトガルは、まるで大航海に出た大海原で、コンパスを失くし漂流してしまった探検者たちのように見えた。

フランスによって攻撃のリズムを作れなくなったポルトガルは、試合終盤にはロングボールからのパワープレイに活路を見出そうとしたが、それこそまさにフランスの思うツボだった。パウレタやシモン・サブローサには、フランスの堅牢な最終ラインを打ち破るだけのパワーがないのは明らかだった。結局のところ、フランスにはあってポルトガルに足りなかったのは、超一流のFWの存在だった。パウレタが前線でしっかりとボールをキープし、攻撃の起点になることさえ出来ていれば、ポルトガルはもっと多彩な攻撃が可能になっただろう。残念だがポルトガルが決勝に進むには、まだ若干実力が不足していたようだ。



さていよいよ決勝戦。見どころはたくさんあるが、僕が敢えて一つ挙げるとすれば、サイドの攻防か。サイドを制したチームが勝つような気がする。今回のW杯は、特に決勝トーナメントに入ってからはしびれるような試合ばかりだった。どうせだから最後もいい試合で締めくくってほしい。両チームには、勝ちたいと思う気持ちを前面にぶつけ合った素晴らしい試合を期待しています。


by BlueInTheFace | 2006-07-08 00:36 | サッカー