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迷惑な客

先週の土曜日に日産スタジアムへサッカー観戦しに行った時のこと。僕は家でTV観戦してようがスタジアムで観戦してようが、チャンスの場面では(皆もそうだと思うが)思わず大声が出てしまうタチで、この日も僕はスタジアムで何度も奇声を発し続けていた。

ふと気付くと、僕の席の斜め前に座っていた小学生3・4人のグループが、僕が奇声を発するたびに僕のことをジーっと見つめているではないか。その小学生たちは全くの無表情だったので、彼らが何を思って僕のことを見ていたのか皆目見当がつかなかった。とりあえず僕は小学生のことは気にせず試合に集中することにした。

あいつらが何を思って僕のことを見ていたのか、その理由に気付いたのは試合が終わって僕がスタジアムを後にしてからだった。あいつらは僕が叫んでいた「フォーゥ!」の声を聞いて、レイザーラモンHGの声真似をした変なおっさんが後ろにいると思ったに違いないのだった。このシャウトは、若い時分から元春のライブで「フォーゥ!」と言い続けている間に自然と僕の中に浸透してしまったものなんだよわかるかな少年。まぁ君たちの試合に対する集中力を逸らしてしまったのは悪かったと思っているよ。

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そこで次の日の元春ライブでは、あまり「フォーゥ!」と言い過ぎないように気をつけようと思っていたのだが、いざライブが始まってしまうと、極度の興奮状態で叫び続ける僕を止める者は誰もいないのだった。しかし周りを見渡せば、皆が多かれ少なかれ奇声を発していたので、僕の心配の及ぶところではなかった。

問題だったのは、僕の席の目の前に陣取った二人の男性だった。二人とも異様なまでに体つきがよく背も高かったので、僕はステージにいる元春を見ることがほとんど出来ない。しかも彼らはライブの間、始終ほとんど微動だにしなかった。仕方がないので、僕は曲に合わせてメトロノームのように横揺れでリズムをとり、時折ジャンプを織り交ぜたりしながら、前の二人の隙間から元春を見る羽目になったのだった。おかげでこの日の僕は普段のライブ以上に体を動かすことになり、いい全身運動になった(奇声もたくさん上げたし♪)。

それにしても気になる。果たして彼ら二人はこのライブを楽しんだのだろうか・・・?ライブが終わり場内に灯りがともった時、その答えは明らかになった。彼ら二人の表情は清々しい満足感に満ちていた。考えてみれば当たり前だが、僕のように跳んで叫んではしゃぎまわるような楽しみ方もあれば、彼らのようにじっくりと曲に聴き入る楽しみ方もあるのだ。そのことに気付いたとき僕はふと、昨日の小学生の僕に対するあの眼差しを思い出した。元春の曲の世界に浸っていた二人にとって、僕のシャウトは相当邪魔だったのではないだろうか。今ごろどこかのブログで「後ろの男がレイザーラモンみたいな声だしやがって・・・」と愚痴をこぼしていないことを祈るばかりだ。