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孤独な上司

会社の同じフロアで長い間一緒に働いてきた僕の上司が、去年一杯をもって退職した。不惑の40代を直前に控えた上司(以下:F氏)は、自分の為に家族の為にと意を決して、異業種への転職という道に踏み切った。

責任感が強くて、頭の回転が早く、ロジカル・シンキングに長けたF氏は、合理的に効率よく仕事をこなす事で一定の評価を得ていた反面、プライドが高くて融通が利かない為、冷徹で何を考えているか分からない印象を同僚に与えていた。プライベートな会話の場面でのF氏は人当たりがよく、そのトークは生まれ育った関西で揉まれた軽妙なものだったが、そのプライベートな会話の機会自体が極端に少なかった。砕けた話をF氏の方から切り出してくる事は滅多になかった。

元々F氏は、会社での人間関係をドライなものと割りきっているフシがあった。融通の利かないF氏のやり方に耐え兼ね、F氏に改善を直談判した部下は一人や二人ではなかったが、その都度彼は、断固とした態度でその訴えを退けた。柔和な笑顔の裏側に、そこはかとなく近寄りがたい雰囲気をかもし出すF氏の姿は、例えるなら現総理大臣福田康夫氏のようであった。同僚たちは、次第にF氏に距離を置くようになっていった。彼は孤独な上司だった。

F氏の転職先は、親戚のつてを辿って紹介されたものだという。異業種への転職だが、学生時代に学んだ事を活かせる職業らしい。しかし転職に際して本当に活かさなければならないのが、今までのキャリアで培ってきた人間としての総合力である事は、F氏自身も充分承知していると思う。

兎にも角にも、彼は彼なりにガムシャラに突っ走ってきた。僕はその事を凄いなと素直に思う。彼の経験が次の職場で花開く事を、僕は切に願っている。もしかしたらどこかでこの記事を目にするかもしれないF氏へ、ささやかなエールとして僕はこのエントリーを捧げたい。お疲れ様F氏。今の職場でも、やりたい事は思う存分挑戦してください。気高き孤独を身に纏う素敵な上司になれるよう、心から応援しています。

ミツより。

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何となく不安な一日

金曜日の昨日は、印刷・メディア業界の大規模な催し物として有名な「PAGE2007」の最終日ということで、僕は会社の許可を得て、丸一日をかけて見学させてもらった。

※「PAGE2007」についての詳細なレポートは、専門的な話になり過ぎてしまう為、今回は割愛させていただきます

東京池袋のサンシャインシティ内に設けられた会場は、午前中からたくさんの入場者で賑わっていた。僕の通っていた高校はサンシャインビルから割と近い場所だったので、会場につくまでの道すがら、周りをキョロキョロ見渡してはあぁ懐かしいなぁと目を細めて歩いた(最近は池袋に足を運ぶことがほとんど無かった)。ところが会場に着いたとたん、僕は会社から貰っていた入場券を家に忘れた事に気づき、仕方なく自費で入場料を負担(1,000円)。センチな思い出の断片は、あっけなくどこかへ飛んでしまったのだった。

本当は会場内の様子を携帯で撮影し、ブログにUPしようかと思っていたのだが、その携帯をも家に忘れてきてしまいあえなく断念。しかしひとたび会場内に足を踏み入れたら、見て回るところがたくさんあり過ぎて、忙しくて写真どころじゃなかったのも事実だ。ただ、仮に携帯を忘れなかったとしよう。その場合、僕の携帯カメラに収められたのが、大企業のブースに配置されたキャンペーンガールだけだった可能性は、残念ながら否定できない。

この日僕と一緒に会場を見て回った、会社の同僚で僕と同い年の仙台出身S君は、未だに携帯を買ったことも使ったことも無いという強者だ。S君曰く「必要ない」との事。うん、本人が必要ないっていうなら、買わなくて正解だと思うよ。買えば買ったで便利なのは間違いないが、いざという時に忘れてしまうと、大して必要でもないのに、何となく一日不安な気持ちになってしまうからね。

兎にも角にも、「PAGE2007」終了時刻の午後5時を無事迎えた。僕は、サンシャインの会場からそのまま直帰させてもらう旨を、公衆電話を使って会社に連絡した。久々に使ったよ公衆電話。久々に、電話する時「10円玉足りるかな・・・」って心配した。100円だとおつりが出ない仕様の公衆電話に、ちょっとした苛立ちすら覚えたのだった。

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上司のプライド

会社を終えた昨日の夜、後輩H君と共に近くのカレー屋さんに直行して、バカでかいチキンカツが乗っかったカレーを食し、その後近くの公園で一服しながら二人語らいあった。

H君は最近不調なのか仕事でミスが続き、課長に怒られてばかりで悩んでいるようだった。僕からみれば、H君のそれは取るに足らない些細なミスなのだが、H君が怒られるのは、そのミスの経緯と対応状況を上司に口頭で説明するのが下手だからなのだ。だから上司はH君の説明を聞きながらついイラついてしまう。

彼は、物事を筋道を立てて説明するのが下手というわけではない。普段のトークでは分かりやすく話が出来る彼なのに、何故か上司の前では説明が下手になってしまう。その原因は、上司に怒られたくないという気持ちが説明の中に入り込みすぎてしまうことだ。弁解したい、或いは隠したいと強く思いながらの説明では、説明内容に過不足が生じてしまう。話が紆余曲折しすぎてしまい、聞いている上司は途中でまどろっこしくなってしまうのだ。

ミスの報告は弁解を最小限度に抑え、起きてしまった事実だけを時系列に沿って淡々と述べるに限る。謝るのは、説明の最初か最後に一度だけでいい。そのミスに自分の落ち度があまり無く、不可避的に発生してしまったものであるなら尚更だ。難しいことだが、上司との人間関係を上手く保っていく為には、上司を信頼することが何より大切だ。今は怒られてるけど、この人なら自分に落ち度が少ないことは分かってくれているだろうと信頼して説明する。落ち度があるかどうかを判断するのは上司であって部下ではない。その判断を部下がしてしまったら、上司のプライドをいたずらに傷つけるだけだ。

だからミスをした事それ自体はそんなに気にしなくていいよ、とH君を励ました後は、会社のことや会社の人たちについて、二人で思い思いに話をぶつけ合ったのだった。H君は、普段思っていてもなかなか口に出来ないことを話せてだいぶ満足したようだったが、それは僕も同じことだった。長い時間話し込んで、ふと気付いたら終電間際の時間になっていたので、僕らは急いで駅に向かい別れた。世間はお盆休みに突入したにもかかわらず、異常なまでに混雑した終電に揺られて、僕は家路に着いた。

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