小包を受け取って

会社の社長が、個人名義で、出産祝いをわざわざ宅急便で自宅まで送ってくれたのだが、しかし今僕は実家で生活しているため、なかなかその小包を受け取る事が出来ずにいた。ちょうどその折、僕はたまたま自宅に戻る都合があり、ならばついでに黒猫さんの営業所に立ち寄り、小包を受け取ってしまおうと考えた。まさか黒猫さんの営業所にて、僕に大きな災いが待ち受けているなんて、この時の僕は夢にも思っていなかったんだ。

月曜日、僕は車で黒猫さんに立ち寄った後、一度自宅に戻り、夜勤の為すぐに電車で会社へと向かう予定であった。しかし黒猫さんの営業所に向かう道中が思いの他混雑していた為、このままでは会社に遅刻してしまうと、今思えば僕は気ばかり焦っていたようだ。営業所に到着して道路脇に車を停車し、急いで小包を受け取り、車に戻ろうとした。その時僕ははたと気づいたのだった。エンジンをかけっ放しにしたまま外に出て、車のドアを全てロックしてしまった事に。

財布も携帯もスペアキーも何もかもが車の中にある事に気づいて、暮れなずむ街の光と影の中、僕は小包を小脇に抱えて途方に暮れたまま立ちつくした。結局僕は業者を呼んで解錠を依頼。解錠には成功したものの、思わぬ高額の出費&会社には一時間遅刻。あまりの自分の間抜けさ加減に、この時ばかりはさすがの僕も正直凹んだ。僕が困っている間、黒猫さんの社員さんたちや近所の板金屋のおっちゃんたちが、随分と親切にしてくれて、それだけが唯一の心の救いだった。ありがとう名も知らぬおっちゃんたち。

ちなみに僕が乗っているのは、日産のティーノという車(写真)。あまり売れなかったらしく、しかも現在は生産していないので、街中ではあまり見かけない。しかし人気は出なかったけど、僕はこの車の運転の心地が結構気に入っていて、買ってからもう丸六年になるのだが、あと三年は乗り続けたいと思っている。本当は新車に買い換えたいなぁという内なる欲望は、我が家の金銭的事情を考慮して心の奥底に封印し、内側から鍵をかけて外からは開かないようにしておこう。

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