仕事は嘘をつかない

ここ最近自分の中でテンションが上がりきらなかった最大の要因は、2週間前に風邪をぶり返して寝込んだ事にあると思う。その一週間後、久々に近所をランニングしたら、予想以上に体力が落ちていてビックリしたものだ。何をするにもやはり体が資本。ブログを綴るのも例外ではない。

ところで先日、僕のテンションが爽やかに上昇する出来事があった。今の住まいに引っ越してから3年あまり経つのだが、家から一番近所にある小さな床屋へ、初めて髪を切りに行ったのだ。それまでは、わざわざ足をのばして、駅の近くにある料金の安い床屋まで通っていた。しかしそこに勤める5人の理容師さんは、スキルにバラツキがあり、下手な店員にあたった場合、僕は仕上がりに全然満足できなかった。そこで、多少料金が高くても腕前の確かな床屋を探そうと、数ヶ月前から探しまわっていたのだ。

家から一番近くにあるその床屋は、あまりにも店構えが古くしかも小さかったので、今まで何となく敬遠していたのだが、いざ入店してみると、店内は隅々まで丁寧に掃除が行き届いており、僕はいきなり好印象を抱いた。店には客はなく、50代とおぼしき主人と、その父親であるおじいさんが二人。僕は席に案内されると、伸びきっていた髪をばっさり切ってくれるよう注文した。

主人の腕前は正確で素早かった。ためらう事なく大胆にカットを施しつつ、細部まで丁寧に仕上げてくれる。僕らの間で時々交わされる会話は淡白でもしつこくもなく、とても話し安い雰囲気。聞けば、この店は親の代から続いている床屋なのだそうで、初代主人であるおじいさんは店を完全に息子に任せ、自らはその横でアシスタントに徹していた。主人もおじいさんも、いかにも誠実そうな容貌をしていたが、何より、客に対して誠実そのものである仕事ぶりに僕は感心した。仕事は嘘をつかない。仕上がりにすっかり満足して店を出たら、曇っていた空は見事に晴れ渡っていた。この街に越してきて3年、僕はようやく御用達の床屋を見つけた。

若白髪がかなり目立ってきた昨今の僕。もし髪を染める事に決めたら、その時は、この床屋の隣にある美容室を訪れてみよう。その美容室は、この床屋の主人の妹さんが経営しているとの事。この主人の肉親なら、信頼に値する人物のような気がしてならない。

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