成長期

会社の先輩G君は僕より三歳年上。彼は耳が不自由な聾唖者だ。でも彼は人一倍頭の回転が早く、人一倍勉強熱心で、自己犠牲の精神を人一倍持っている。日に焼けた顔からこぼれる人懐っこい笑顔は、仕事で疲れた僕らの心を安らかにしてくれる。

G君は頭の回転が早いので、間違いの言い訳をさせたら右に出る者はいない。勉強熱心で何でも良く知ってるけど、知識を実践の場に活かす事ができない。自己犠牲の精神に溢れているけど、自分のやるべき事をついおろそかにしてしまう。

G君は素直じゃない。何かと言うとすぐに「耳が聞こえない」事を言い訳にする。彼女ができないのは、耳が不自由だし自慢できる学歴も無いからだと嘘ぶく。でも彼は分かっているはずだ。本当の原因は、自分の弱い心にあるのだという事を。

僕の事を分かって欲しいだなんて思わずに、ありのままの弱い自分をそのままさらけ出せばいい。相手の理解を欲するのではなく、相手との共感を求めよう。「自分の事は自分が一番よく分かっている」だなんて幻想は、もう捨ててしまおうよ。

会社の先輩G君は僕より三歳年上。
彼は耳が不自由な聾唖者だ。
僕たち仲はいいんだけど、いつも喧嘩ばかりしている。

[PR]