町の小さなドラッグストア

以前このブログで、僕は自分の事を「薬局にはほとんど行ったことがないのに、薬局にまつわるエピソードについては事欠かないのが自慢」だと書いた事がある。さて、この謎めいたプロフィールには実はいたって単純なタネが隠されている。そう・・・僕の実家は、町の小さなドラッグストアなのだ。

僕が4歳の時、父は一大決心をした。安かったが商売するには条件のあまり良くない土地を買い、二階建ての家を新築し、一階を薬局としてオープンさせたのだ(そのため居住スペースは二階のみとなり、しかも土地が狭かったので、僕たち家族はかなり窮屈な生活を余儀なくされた)。その後、父と母の二人三脚で切り盛りしてきた店は、バブルの助けを借りながらなんとか軌道に乗ることができた。

大手ドラッグストアが街のいたる所でオープンし、薬の大量激安販売が当たり前の昨今にあって、我が家のような個人経営の薬局は、とても太刀打ちできる状況にない。しかしおかげさまで、現在でも細々とではあるが営業を続けさせてもらっている。


ちなみに僕は実家が薬屋なので、物心ついてからこの方、金が無くて困ったことはあっても薬が無くて困ったことは一度もない。例えば中学生の頃ニキビに悩んでいた僕は、市販の薬の中ではニキビに一番良く効くという「クムメルシ液」なる商品を、容易に(しかも安価に)手に入れることができた(この商品が現在も市場に流通しているかどうかは不明)。クラスの女子たちに「ニキビ治ったね!」と言われた僕は、平静を装いながら「うん、まぁね」とクールに返答した。実際はニキビを治す為に全力で取り組んでいたのだが、僕にとって不名誉でしかないその事実は巧妙に隠蔽されたのだった。

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