上司のプライド

会社を終えた昨日の夜、後輩H君と共に近くのカレー屋さんに直行して、バカでかいチキンカツが乗っかったカレーを食し、その後近くの公園で一服しながら二人語らいあった。

H君は最近不調なのか仕事でミスが続き、課長に怒られてばかりで悩んでいるようだった。僕からみれば、H君のそれは取るに足らない些細なミスなのだが、H君が怒られるのは、そのミスの経緯と対応状況を上司に口頭で説明するのが下手だからなのだ。だから上司はH君の説明を聞きながらついイラついてしまう。

彼は、物事を筋道を立てて説明するのが下手というわけではない。普段のトークでは分かりやすく話が出来る彼なのに、何故か上司の前では説明が下手になってしまう。その原因は、上司に怒られたくないという気持ちが説明の中に入り込みすぎてしまうことだ。弁解したい、或いは隠したいと強く思いながらの説明では、説明内容に過不足が生じてしまう。話が紆余曲折しすぎてしまい、聞いている上司は途中でまどろっこしくなってしまうのだ。

ミスの報告は弁解を最小限度に抑え、起きてしまった事実だけを時系列に沿って淡々と述べるに限る。謝るのは、説明の最初か最後に一度だけでいい。そのミスに自分の落ち度があまり無く、不可避的に発生してしまったものであるなら尚更だ。難しいことだが、上司との人間関係を上手く保っていく為には、上司を信頼することが何より大切だ。今は怒られてるけど、この人なら自分に落ち度が少ないことは分かってくれているだろうと信頼して説明する。落ち度があるかどうかを判断するのは上司であって部下ではない。その判断を部下がしてしまったら、上司のプライドをいたずらに傷つけるだけだ。

だからミスをした事それ自体はそんなに気にしなくていいよ、とH君を励ました後は、会社のことや会社の人たちについて、二人で思い思いに話をぶつけ合ったのだった。H君は、普段思っていてもなかなか口に出来ないことを話せてだいぶ満足したようだったが、それは僕も同じことだった。長い時間話し込んで、ふと気付いたら終電間際の時間になっていたので、僕らは急いで駅に向かい別れた。世間はお盆休みに突入したにもかかわらず、異常なまでに混雑した終電に揺られて、僕は家路に着いた。

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