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ベスト8の戦い(1)

ドイツW杯準々決勝の4試合を見た雑感です。雑感とは言いながら結局は長い文章になってしまったので(笑)、2回に分けて投稿します。まずは初日の2試合から。


・ドイツ対アルゼンチン

ドイツ1-1アルゼンチン(pk:4-2)
得点者:アジャラ(後半4分)、クローゼ(後半35分)

アルゼンチンのペケルマン監督は、クレスポとコンビを組む先発のFWに、好調サビオラではなくテベスを選んだ。この人選に僕は少々驚いたが、しかし考えてみれば、それは実にアルゼンチンらしい戦略なのだとすぐに気がついた。裏への飛び出しというよりはキープ力とドリブル突破に優れた、いかにもセンターFWタイプのテベスを敢えてサイドに置くことで、ペケルマン監督は、ドイツが攻撃時に人数をかけられないよう牽制したかったのではないだろうか。つまり、常に相手の長所を消すことが最優先されるアルゼンチンの本質が、如実に表れたのがテベスの起用というわけだ。ボールポゼッションを大事に考える意味ではスペインと同じタイプのアルゼンチンだが、両者の根底に流れるサッカーの本質はあまりにもかけ離れている。アルゼンチンの戦略によって、攻撃の連携を分断されてしまう相手は、しだいに個人での局面打開に頼らざるを得なくなり、いつの間にか先の見えない消耗戦へと突入してしまう。

ドイツは先制されて苦しかったが、後半39分のバラック→ボロブスキー→クローゼと繋がっての同点ゴールは技ありだった。アルゼンチンの破壊的なサッカーにも臆することなく戦い、PKによってではあったが勝利を得ることができたのは、ホームの利が働いたか、それともゲルマン魂の真骨頂か。僕は、例えアルゼンチンがキーパーを負傷で交代するという不運に見舞われなかったとしても、ドイツは執念で同点に追いついていたような気がする。根拠はないけど、彼らを見ていると何故かそんな気がするのだ。


・イタリア対ウクライナ

イタリア3-0ウクライナ
得点者:ザンブロッタ(前半6分)、トーニ(後半14分)、トーニ(後半24分)

イタリアは最終ラインがウクライナの攻撃陣を注意深くケアしながらも、中盤より前がアグレッシブにボールを奪いに行き、チーム全体が前に出ようとする意志に溢れていた。ザンブロッタの気合のミドル一閃で先制したイタリアは、その後もウクライナの攻撃に落ち着いて対応した。後半、ウクライナが前がかりになり、守備がやや手薄になった所を、イタリアが見逃さずに追加点。3点目も似たような状況。イタリアは攻守にバランスがとれ、団結力と勝利への意志も強く、勝負どころを見極めたメリハリのあるサッカーを展開する好チームだ。ウクライナは後半開始当初のチャンスをものに出来なかったのが痛かったが、最後まで諦めずに攻撃の姿勢を貫いてくれたおかげで、点差以上に白熱した内容の試合となった。ウクライナの素晴らしい健闘に拍手したい。


by BlueInTheFace | 2006-07-03 20:07 | サッカー