明日できることは今日やらない

ネームカードの自己紹介にも書いたけど、近年の僕が座右の銘としている言葉は、「明日できることは今日やらない」。数年前のTVのトーク番組で、藤子不二雄(A)氏が自身の座右の銘としてこの言葉を紹介していたのを見た。僕はそれ以来、この言葉を自分自身にいつでも言い聞かせられるように、心の引き出しの一番手前の方にしまっておいた。そう、「明日できることは今日やらない」は、僕にとっては座右の銘というよりも戒めの言葉という意味合いが強い。

僕は本来、救いようがなく自分に対して甘い人間だ。そして、そんな自分を克服したいと思うのと同時に、そんな弱い自分を人に晒す事が恥ずかしくもあった。仕事においては誰よりも完璧にノルマをこなそうと努力したし、人間関係においてもできるだけ誠実さを失わないように意識してきた。僕のそんなストイックな一面は、本来の自分に対する自信の無さの裏返しでもあった。

特に職場において、大きな課題を自らに課してそれを克服し、周囲の信頼や良好な人間関係を築き上げてきた経験は、今までには無かった自信を僕に植え付けてくれた。次第に僕はこんな風に思うようになっていった。自分のしていることは正しい、何故なら僕は今こんなに自信に満ち溢れているんだから。

しかし僕が正しいと思ってしていることが、知らず知らずにいつの間にか、近しい人たちに無言のプレッシャーを与えていると僕は感じ始めていた。中には僕の仕事ぶりに対してあからさまに不快感を示す年輩の同僚もいた。そんな彼の気持ちが、最近の僕は少しずつわかるようになった。彼は、仕事に対する僕の真面目な姿勢が、実は自信の無さの裏返しだということを分かっていたのだと思う。彼はそんな僕を少し心配してくれたと同時に、ウザったくもあったのだろう。

だから僕は、あまり頑張りすぎないように、肩肘張り過ぎて皆に心配や迷惑をかけないように、それを自分に言い聞かせる意味で「明日できることは今日やらない」をモットーにしている。「怠ける」というのではなく、「ゆとり」を持った大人になりたい。そしていつの日か、等身大の自分自身を愛せるようになれたらなぁと思う。

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