美ヶ原高原美術館

早朝から洗車を済ませ(ただ雑巾で拭いただけだが)、長野県小県郡にある美ヶ原高原美術館に行ってきた。

中央自動車道の諏訪ICを降り、ビーナスラインという山道を登ること一時間弱。その頂上に美ヶ原高原美術館はあった。途中で渋滞に巻き込まれ、都合5時間のドライブとなったのだが、その疲れも吹き飛ぶほどの、美しい山頂からの景色が僕たちを待っていたのだった。青い空から何にも邪魔されずに運ばれてくる、少し肌寒いと感じるくらいの風が、照りつける陽光をいっぱいに浴びた僕の体を通り抜けていくのが心地いい。

高原の大自然を充分に活用して作られた広大な屋外展示場には、たくさんの彫刻が並べられていた。その周りには高山植物が生い茂り、トンボの群れが列をなす。彫刻を全部観て歩くと結構な距離になるので、僕は途中でベンチに座り冷たいお茶を飲んで休憩したりする。彫刻を鑑賞しているというよりも、まるでミニ・ハイキングに来ているようだった。

実際、鑑賞したオブジェのいくつかは、僕にはよく分からない前衛的な作品だったりしたので、タイトルを見ても作者の意図が掴めないこともしばしばだった。タイトルを見て逆に作者の意図が分からなくなることもあった。おそらく一般人の鑑識眼なんて、多かれ少なかれその程度のものだろう。だから僕は個々の作品よりも、この大自然と奇妙に調和している屋外展示場の、雰囲気そのものを楽しむことにした。すると石や鉄で作られた彫刻たちは、ただそこに在るのではなく、そこにいることが運命的に定められていたかのように、僕には思えてくるのだった。まるで、この高原に住む神様たちを見ているような、そんな感覚で僕は彫刻を見て回った。「よく理解できないけど、何だか神々しいものがあちこちに置いてある」という具合に・・・。

帰りの山道を下っていると、突然深い霧が出てきて視界が急激に悪くなり、山の天気は変わりやすいなぁと思って注意深く走っていた。すると突然、道路の真ん中で戯れる鹿の親子に出くわし、危うく轢きそうになるところだった。鹿の親子は僕の車に気付くと、身を翻して走り出し、ガードレールを飛び越えて山奥へと消えていった。「野生の鹿なんて初めて見たー!」僕はすっかり興奮してしまった。

結局帰りも5時間かけて帰ってきて、さすがに疲れてへとへとになったが、満足の一日だった。ところで、昨日は具合が悪かったので、今日の予定は大丈夫だろうかと心配していたのだが、朝起きたら幸いにも喉の痛みは無かった。普段のおこないが良すぎるということだろうか。

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