走る人

昨日はなんだか体がダルかったこともあり、ここはひとつ気合を入れ直さなければと思い立ち、会社を終え帰宅してすぐに、普段の倍以上の距離、5.4kmのランニングにチャレンジした。

目標を25分にして、ややハイペースで走ったのだが、きつくて途中で歩いてしまったので35分かかってしまった。だがまぁ初めての距離だし上出来だろう。汗で濡れたTシャツは、搾れるほどビジョビショになっていた。

ところで、実はこの5.4kmのランニングコースは、最近ランニングで知り合った61歳の男性の方に教えてもらったコースなのだ。走っていると時々一緒になるのだが、僕が折り返し地点を曲がっても、この初老の男性は折り返さずそのまままっすぐ行くので、とある日、どこまで走ってるのか尋ねてみたのが知り合うきっかけになった。

彼は、とても定年を過ぎたとは思えない、柔らかくて逞しい体と張りのある肌を持っていて、聞けば50歳の頃から走り始め、今ではホノルルマラソンやなんかにも出場しているというから驚きだ。彼の、眼鏡の奥に潜む瞳の光は、優しさと厳しさと憂いが入り混じっていて、61年の人生の年輪を感じさせるに充分な貫禄だった。僕が「去年からサッカーを始めたんです」と言うと、彼は「いくら歳をとってからスポーツを始めても、全然遅くはないんですよ」と、光る汗を拭いながら僕に言うのだった。

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