リーガ・エスパニョーラ第17節、バルセロナ対レバンテ@カンプノウをようやくみる事ができた。試合開始前には、ロナウジーニョのFIFA年間最優秀選手賞のトロフィー贈呈式が行われ、マイク片手にスピーチするガウショの姿がテレビに映し出された。「この賞はチーム皆で勝ち得た物であり、そしてここにいるサポーター全ての物でもあるんだ。できれば、このトロフィーをバラバラにして、皆に分けてあげたいくらいさ!」
さてバルサのスタメンは、怪我で体調が万全でないマルケスを温存させ、中盤の底にシャビ、左にイニエスタ、右にデコの布陣。4バックは左からジオ、オレゲール、プジョル、そして若いダミアー。前節のバレンシア戦で一発レッドを貰って出場停止のGKビクトル・バルデスに代わって、こちらも若いルベン。こいつはビクトル・バルデスに顔がそっくりで、まるで弟といった感じ。しかし兄の方が「艶」がある。前線はエトーの1トップ、左にガウショ、右にベレッチ。
さて試合は膠着状態のまま進み、前半29分、ペナルティ・エリア付近からのFKをデコが素早くセットしてシュート!これがレバンテDFの頭に当たってコースが変わり、ラッキーな先取点。しかしここ数試合、絶好調時のパス回しに若干翳りが見られるバルサは、レバンテの粘り強い守備もあってか、なかなかフィニッシュまで持っていけず、逆にカウンターを食らう場面も度々。
後半15分、遂に恐れていた事態が。イニエスタ(だったかな?)のパスをカットしたレバンテのカウンターが炸裂し、バルサ出身ジョフレのゴールで1-1。カンプノウに、微妙な空気が流れ始める。
しかし、最後はやはり役者が締めてくれた。イニエスタとポジション・チェンジして中央に位置していたガウショが、エトーにショートパス。これを受けたエトーが見事な反転でゴールに向くと、そのまま豪快なミドルシュート!これがゴール左隅に突き刺さり、バルサついに勝ち越し!カンプノウがようやくフィエスタ(お祭り)状態に!
試合はそのまま終了。2004年、バルサはカンプノウで負け無し!ガウショは今シーズン、昨シーズン終盤程の好調さは発揮できなかったが、それでもファンを楽しませるプレーを随所に見せてくれた。特にこの試合では、最優秀選手に選ばれた事を自ら祝ってか、気の利いた小技を連発してファンの喝采を浴びていた。
僕が今年一番印象に残っているガウショのプレーは、2003-2004シーズンの終盤。逆転優勝を目指し、取りこぼしの許されない状況だったバルサが、カンプノウで下位のチーム相手(ドコ相手だかは忘れた)に苦戦し、0-0のまま試合を終えようとしていた時。
絶好の位置でFKを得たバルセロナ。蹴るのはもちろんロナウジーニョ。もう殆んど最後の得点チャンスであり、蹴る前の彼の顔は鬼の形相。誰もが固唾を飲んで見守っている。観客席には、彼の母親が観戦に来ている。期待を一身に背負ってのロナウジーニョのFKは、キーパー一歩も動けず、鋭く落ちてゴール!!!!鬼の形相のまま歯を剥き出しにして、全身に喜びを爆発させてスタンドに駆けるロナウジーニョ。半狂乱のカンプノウ。僕は鳥肌がたち、そして胸が熱くなった。彼こそ真のスーパースターだと思った。
あとやはり記憶に新しいところでは、対ミラン戦@カンプノウでの、神降臨の逆転シュート、あれも凄まじかった。来年もどんなスーパープレイが飛び出すか・・・彼からは一時も目を離せない。